7月7日、『777』にひとつ不足しておりますが縁起の良い数字の並びですので、ラッキー’07作品を紹介しようと思います。
休業のお知らせを掲載しましたが、まだブログであげたい作品などありますので、本日も掲載しようと思います。
ギャンブルの匂いのするデザインはもともと多く、GOOD LUCKなホースシューやダイス、トランプ柄にRALLOD(逆『$』)など、’50sやアメリカらしい空気感を持った、普遍的に人気の高い作品です。
『ラッキー’07』は2007年にリリースされた作品で、ブレスレットとペンダントがあり、前者はリンク・パーツの中でも人気の高い『ルーレット』&『フィン・アンカー』の組み合わせ。
後者は『2.5D』を駆使した、程よく大きめサイズのペンダントにもかかわらず男女ともに人気が高く、デザインのPOPさやキャッチーさが高評価につながっています。
どちらも手の込んだ作りが細部にまで及び、ひとつひとつの作品に高い熱量が反映、構成された渾身の作品といえるでしょう。
まずはペンダントから少し掘り下げて説明します。
定番人気のペンダントです。『2.5D』の中でも多種多様なファンを持つ、POPさの中に緻密な立体造形が根付いた、視覚を『錯覚』させる秀逸な作品です。
2Dだとなかなか伝わらない、3Dのバランス感覚に優れたペンダントは、様々な理由が造形の細部にまで及んだ、熱量の高さが魅力といえます。
実際に、過去のブログ『2.5D』でも説明した、センスの良いグラフィックに加え、『視覚特性』を理解したNAOSHIだからこそ表現可能なアプローチであり、作品全体の構成を細部から緻密に組み立てつつ完成度の高い『モノ』に仕上げるということは、神経を使う作業の連続から、心身ともに消耗が激しいのも理解できます。
ペンダントに使われているダイスの目は、『2.5D DICE RING “Ver.SPADE” & “Ver.HEART”』と同じです。
もともとペア向けリングのVer.SPADEとVer.HEART。リングのペアでも良し、ペンダントのペアに絡めても良しの、コーディネート幅の広さも魅力です。
ペンダントのバチカン部分の『ROULETTE(ルーレット)』リンク・パーツも相性抜群です。
『LUCKY ’07 BRACELET』の接続パーツである『7-BAR』。
この部分のデザインがブレスレットのメインとなりますが、知恵の輪みたいにしかしキチンと着脱用パーツとして機能する。そんなmm単位での寸法出しをクリアして作られた原型は、非常に精度が高く、まさに『機能性と装飾性の両立』した、他にはないブレスレットといえるでしょう。
直線、曲線どちらも正確に形にできるところが技術力に反映しており、例えるなら理系らしい面と文系らしい面がバランスよく、みたいな。
下のブレス画像は直線的『7-BAR』と曲線的『リンク・パーツ』の組み合わせ、秀逸なまとまり具合だと思います。
この『7-BAR』のクオリティーは非常に高いのですが、それをさらに『2.5D』化したペンダントは、まさに作品の表現がよく似合う逸品といえます。
『7-BAR』の縁の部分のシャープさや精度の高さが目を惹く一方、ペンダントは柔らかい雰囲気で『7』と『ダイス』の一体感を優先した対極の表現で仕上げてあり、一見同じモチーフであっても、デザイナーの考える作品毎の『適正』が細部に反映されているのが実物を手にするとよくわかります。
「機械に不可能なモノを、“人間”の方が高い技術で可能にする」とNAOSHIはよく言ってましたが、一点にこだわって作る姿勢からもその意志は作品に活かされているように思います。
このリンク・パーツ単体の精度の高さ、美観の良さも魅力です。
「どの角度から見てもカッコいいと思えるモノを作りたい」と常々言っているデザイナーなので、360°全てを満たすことを目標に、細部にまでこだわってパーツも作っております。
『ルーレット』と呼ばれるパーツは、その名の通りルーレット台側面を意識させたデザインとなっていますが、より目を惹くのは正面『♦︎x3』の彫り込みの美しさ。『直線美』を意識させる、技術に長けた作りなのがわかります。
また、『フィン アンカー』と呼ばれるパーツは、エンジン・フィンを彷彿させる形状ながら、曲面を多用してあり一体感を持たせた仕様。『曲線美』が手馴染みにも優れ、身に着けていてストレスを感じさせない、使用にも適したコンビネーションとなっております。
私も個人的にこのパーツ構成が好きなので、ウォレット・チェーンはこのルーレット&フィン・アンカーのリンクで身に着けておりました。
実際に、名の知れたブランドも知っている上でウォレット・チェーンを探していたという初見のお客様が、身に着けていた私物WCから興味を持ち、結果オーダーで購入に至ったケースもあり、遠目で見た雰囲気と、モノ単体のディティールの追求が両立した、優れたデザイン構成といえるのを実感しております。
特に、このケースのような場合、有名ブランドでの高額と、知らなかったブランドでの高額となれば『ブランド=安心』につながるため、前者に落ち着くケースが多いです。
よほどモノの良さを実感してもらえなければ購入には至らない金額ですので、『REAL&KOOL』や『機能性と装飾性の両立』といった、モノ作りの目標設定を高く設けた姿勢が目の肥えた客層レベルに伝わった瞬間ということで、真摯に作品に向き合った結果が実を結んだ、私にとっても自分のことのように嬉しかった出来事だったのを覚えています。
ちなみに事故って壊れてしまいました、私のWCです。気に入っておりましたが現在修理中。
上記の時期にはまだシンプルな構成で、真ん中あたりに見える『2.5D “13” ORNAMENT』と呼ばれるトランプ・モチーフのパーツは使ってませんでしたが、『素材の旨み』といいますか、チェーンのリンク・パーツのみで十分カッコいいWCでした。
ワンランク上(金額的・見た目の派手さ)の仕様をセンター・フープ型以外で形にしたのがこのWC。
前後の目を惹くパーツ・バランスを意識してありますので、このスタイルを提案していこうと思っていた矢先の出来事。残念でした。
ラッキー’07から離れてしまいましたが、作品に付随する周辺パーツなどからも、コーディネート幅は広げやすく、かつ守備範囲も広いのが今回取り上げたギャンブル要素の強いデザインの作品群だと思います。
『LUCKY ’07 BRACELET』に『RALLOD RING』と『 PYRO MANIAC RING Ver.DEVIL』の組み合わせ着用。
古さと新しさ。温故知新な感覚ながら、まとまりがいいのはデザイナーのセンスとバランスに寄るところだと思います。
特にブレスレットのさじ加減が秀逸なので、どのコーディネートでも対応可能な、守備範囲の広さが魅力です。
リングとのバランスも良く、喧嘩しないで共存しやすい、ファッション性の高さも魅力です。
奥行きのあるラインナップで、展開も広がっているKUSTOM JEWELRYです。
縁起の良さだけでなく、ファッション性も高い作品をいろいろなバリエーションでリリースしております。
ビヨンクールで9月に控える8回目のNAOSHI来店イベントを照準に、今後の活動も期待していただけたら嬉しいです。