PYRO Ver.DEVIL

PYROMANIAC RING Ver.DEVIL ¥78,000(税別)

6月6日、『666』にはひとつ6が足りてませんが、悪魔の数字ということで、『DEVIL』を取り上げようと思います。

 

パイロの派生モデルとして人気の高いデビルは、アゴ髭(ヒゲ)と付随する口周り、それに角が付け加えられた点が、最初に目の止まる部分かと思います。

これらの特徴は多分「RED DEVIL(レッド・デビル)」の第一人者というくらい、COOP(クープ)氏のレッド・デビルのグラフィックは有名なので、目にしたことのある方は多いと思います。

BURN OUT PREMIER ISSUE(ART by COOP)

 

’50sらしいポマードでテカったリーゼントの髪型に赤い皮膚、髭や角に葉巻の似合う、男のダンディズムに溢れたキャラクターとして描かれております。

『Ver. DEVIL』の特徴からも、こういったアイコン的キャラクターの影響を少なからず受けている背景には、カルチャーが根付いてくることが画像を通して理解できると思います。

 

【“K”USTOM JEWELRY GUCHO】の表記にブランド自体の背景が感じられると、ブランドの立ち位置や方向性をヘッドラインから察することができますよね。

ちなみに、この『BURN OUT Magazine』は、当ブログ『KUSTOM JEWELRY GUCHO』の記事で縁を書かせてもらいました、THE  NASHさんが作るKUSTOM KULTURE情報誌です。

 

上記画像の第1号が1999年とありますので、20年近くフリー・ペーパーとして発行し続けている、息の長いカルチャー情報誌です。

こういった質量の高い情報誌には、例外なく発信者の熱量が反映されており、そこにシンパシーを感じるからこそハマるものだと思います。

 

継続は力なり、『積み重ね』の言葉どおり、積み上げ続けた情報には重さが伴い、次第に貴重な情報の塊となっていきます。

ブレずに続けた結果、カルチャーが根付いていくことを考えると、見せかけだけのPOSEではない、『REAL』に触れられることに改めてありがたみを感じます。

 

『その時、その瞬間』にしかない『REAL(現実)』を体感するには、自分の足でその場に立つ行動力が重要だと、諸先輩方の背中から学ばせてもらっていますが、事実そのとおり。改めて実感する次第です。

とはいえ、自分もリアルタイムではなく、後からのことも沢山あり、先輩・後輩問わず、いろいろな人たちから教わることの方が多いです。

早いか遅いかではなく、『好きかどうか』の方が重要なのだと思います。

 

ディープなシーンに、『G8=G EIGHT=GATE=入口』の名前にふさわしく、案内(“G”uide)するのもひとつの使命だと勝手に思っている私としては、背景を含め、少しでも深く伝えられたらと思っております。

当ブログ記事に後から追記することも度々あって申し訳ございませんが、付随する話は背景としての説得力や理解を助ける場合が多々ありますので、情報精度を上げるということでご理解よろしくお願いします。

 

…そろそろ作品に入りましょうか。

『DEVIL』リングですが、しっかり作られたアゴ全体を覆う山羊髭(ヤギヒゲ)の存在感は、縦横の美観、バランスに優れており、悪魔と言えば、な山羊頭や山羊髭も共通するのは『山羊』という生物の部位。

角も本物同様の質感を表現し、本物に近い雰囲気の四角い山羊髭も完備した、身に着けていて邪魔にならない、『置いて善し、着けて善し』な造形に仕上げられております。

 

このデビルリング(左)は、『PYROMANIAC』リング(右)に角とアゴ(髭)、口周りをくっつけただけの単なる派生品という訳ではなく、実際にディティールまで比較することで、パイロとの違いが分かる作品となっています。

DEVIL(左) PYRO(右)

リアルな質感をまとった下アゴ(口周り)から、上に向かって燃え広がり、最終的には角の生えた頭部を炎が包みこんだリングです。

従来のパイロに較べ、全体的なシルエット、例えば側頭部にかけての膨らみや、頬(ホホ)を細くスマートに仕上げたあたりに、よりリアルな頭蓋骨=スカルを感じさせてくれます。

また、形状によっては、置いた際に転がってしまうのがヒゲの欠点なのですが、それを防ぐためデザインに工夫が成されており、横から見た時のアゴヒゲの穂先を前方へ流したところや、エラを張ったような下アゴを包むヒゲのたくわえ方は、置くことを想定した上で理に適った(かなった)、『機能性と装飾性の両立』を見事にクリアした作品といえるでしょう。

 

歯は上下各々12本づつ、実際の人骨同様16本を前提にしながら違和感なくディフォルメしてあり、その仕上がりには表現力の高さ、徹底した『こだわり』が反映されているのです。

下アゴの両端から頭骸骨にあたる部分にかけて、また上の歯茎から頭骸骨にかけての一体感のある自然なつなぎ方に、NAOSHIの苦労と工夫が見え隠れしています。

こういった細部にまでこだわっているからこそ、あらゆる角度から見て遜色のない、完成度の高い作品へと昇華しているのです。

事実、アゴ部分を全て作ってからヒゲを付け加えるという、手間のかかる方法で完成度を高めており、もはや通常のパイロとは別モノになっているため、フレイムスのライン取り及び処理を変更。結果、フレイムスも新たに彫り直しているのです。

 

また、デビルというキャラクターのため、目つきが『鋭く睨みつけている』ような、らしい雰囲気にここも作り直し、変更してあります。

画像だと伝わりづらいですが、骨格から表情までパイロとは別モノといえるくらいで、違いは触れてみるとよくわかります。

是非、取り扱い店舗まで足を運んでみてください。

 

着用例

実際に着けてみると『一点豪華主義』な抜群の存在感に、メンズ・シルバーアクセらしさを改めて感じさせてくれます。

流行に左右されない、着用者のスタイルを雄弁に語ってくれるブランドは随分少なくなりましたが、変わらずの姿勢でモノ作りに励んでおります。

新旧問わず、カッコいい作品を継続して生み出し続けている点にも、ブレない姿勢、信念が垣間見えます。

『変わらない美学』っていいですね。

BABY PYRO(左)
DEVIL(中)
D.I.B.(右)

BABY PYRO(左)
DEVIL(中)
D.I.B.(右)

BABY PYRO(左)
DEVIL(中)
D.I.B.(右)

・BABY PYRO PENDANT Ver. DEVIL ¥32,000(税別)

ペンダントも今迄同様、リングの縮小をただデジタル処理するのではなく、手作業で仕上げております。

キャンバスが小さくなる分、細部(前述したとおり、歯など口周り)を仕上げる難しさは上がっていますが、妥協なく、しっかり作品を仕上げてあります。

単なる縮小ではなく、ペンダントのサイズに適したアレンジがなされているため、リングとはフレイムスの流れが全く違い、リーゼント風な炎の流し方で360°違和感なくペンダントとして成立させてあるのです。

 

ちなみに、デビルのみバチカンとの接続部分がテクスチャー(叩き)仕上げとなっており、地獄とか業火といったニュアンスが作品の細部にまで込められております。

角の太さや高さ、側頭部の形状、フレイムス(炎)の仕上げ、ペンダントとしてチェーンに通した際の目線の角度など、作品単体の仕上がりだけでなく、座りの良さや着け心地といった着用感にまで注意を払って製品化しております。

ここにもリング同様、『機能性と装飾性の両立』が達成されているのです。

2015 MASTERPIECEリング(左)とDEVILリング(右)との比較

せっかくですので、話を膨らませて『MASTERPIECE(マスターピース)』にまで少しだけ及びましょう。

2015年、6th来店イベントの目玉のひとつ。デビルの最上級、『SATAN(サタン)』的な、角にはフル18金を使用した、『別格感』半端ないこのリング。

正式名称はなし(笑)なので、『ラオウ』リングと勝手に名付けて呼んでおりました。

由来はもちろん世紀末覇王、被っている兜がこんなイメージだったもので…永遠の漢の定番、『北斗の拳』のラオウです。

 

当ブログ『KINDLE PENDANT』でも少し触れたとおり、マスターピースは型を起こさず1点づつ仕上げています。

技術が高いので素人目には同じに見えますが実は1点づつ全て違う。

個体差を出さないよう、高水準の製品らしさを狙うと角の重さが問題(金は質量が高く比重が重い)となり、左右対称かつ両隣の指に干渉しない位置にセットする。

「見た目の豪華さだけでなく着用感も追求するには本当に大変な作業だった」と、NAOSHI本人からのカミングアウト。

『機能美』ゆえの美観は、結果『装飾美』に至り、この作品には間違いなくそれが宿っております。

 

ラオウ(手前)とデビル(奥)

『金(ゴールド)』のが銀より重いという比重の違いから、片方をせっかく留めても、もう片方を留める作業で再度熱を加えると、重さゆえに先に留めてた角が重力で落ちるということなのです。

職人・NAOSHIが器用な手先を持っていたからクリア出来た、地味に困難な作業。

技術力や表現力とはまた違った、器用さと忍耐強さが実を結んだ、固定・ロウ付けを駆使した作品だからこそ、実際に着けた時の納まりの良さ、また威風堂々とした存在感はやはり別格。

素晴らしい仕上がりの『傑作リング』でした。

値の張る作品でしたが、ホントにカッコよかったので、現在入手不可なのが悔やまれますよね。

『縁』に恵まれた方、大事にしてくださいね。

 

ただ、やはりいえることは、ベース(土台)のデビルの完成度の高さがあってこそのマスターピース作品だったのは、間違いないと思います。

GUCHOトップクラスのボリュームの、硬派な雰囲気が人気の『Ver. DEVIL』。

是非一度、実物をご覧になってみてください。背景含め、魅力的な作品です。

デビル(手前)とラオウ(奥)

素性がいいと、アレンジもビシッと決まるものですね(笑)

ちなみに、この『トリック・バングル』も他に類を見ない、『チェーン・ステアリング』を彷彿させるGUCHOならではの逸品です。

追ってバングルについても説明しようと思います。

・TRICK BANGLE w/2BABY PYROS Ver. DEVIL ¥155,000(税別)

・PYROMANIAC RING Ver. DEVIL ¥78,000(税別)

・BABY PYRO PENDANT Ver. DEVIL ¥32,000(税別)

・TRICK BANGLE w/2BABY PYROS Ver. DEVIL ¥155,000(税別)