KINDLE PENDANT

KINDLE ペンダント ¥20,000(税別)

先月、『X-BONE Ver. FLAMES』のブログで少し名前の上がったキンドル ペンダント。

せっかくなので、作品の説明をしようと思います。

説明するなら一言、技術力の高さが光るペンダント、と表現させていただきます。

 

特筆すべきは極小のサイズ感にもかかわらず、パイロをしっかり表現しきっている点。

それと、フレイムス(炎)の揺らめきがそのままチェーンを通すための構造になっている点。

この2点が今作品の魅力といえるでしょう。平面も立体も理解しているからこその表現が、NAOSHIの個性を反映した、女性や子供にも優しい、軽さが魅力の極小ペンダントです。

作品単体で魅せる意味では秀逸ながら、身に着けた時の座りの良さでは構造上、従来のバチカン使用のペンダントに『分』があるため、ペンダントとしての使いやすさより造形に優れた作品といえます。

 

どの程度のサイズ感かというと、

寸法比較

向かって右が定番の『BABY PYRO』ペンダント、左側が『KINDLE』ペンダント。

マッチで『火をつける』や『明るくする』、『輝く』のようなニュアンスで使う言葉がネーミングの由来になっていて、サイズ感は本当に『極小』。

『マッチ売りの少女』とか『揺らしてるだけ』みたいな歌詞が思い浮かぶ、か弱さのような哀愁を感じるのはきっとそのサイズ感からなのでしょう。

この作品で使われているパイロの部分は、ピアスサイズと同等、非常に小さいので、男性着用となると、小さ過ぎて不向きかと思います。

 

事実、キンドルペンダントのパイロ部分は、『1㎠』で収まるほどの極小サイズで、これは『SPARK』 ピアスと同等サイズ。

ただ、この小さなキャンバス内に『PYRO』を表現しきっていることが、まさにNAOSHIの技術力の高さの証明といえます。

 

パイロ・フェイスそのままの、炎のレイアウトが正しくその寸法で表現されているということは、単位が変わるようなもの。

例えば、ブランドの『顔』である『PYROMANIAC』リングは『cm』で構成されているところ、『KINDLE』や『SPARK』は『mm』で構成されている、

といえば理解しやすいと思います。

こういった表現を可能にしているのは、やはり技術力あってこそ。

違うレベルで、集中力や偏向性が求められる作業に立ち向かえるかの精神力も必要でしょう。

『モノとの対話』を妥協しなかったからこその品質だと思います。

 

前述の『SPARK』は、GUCHO作品の中で、サイズ感の最も小さい『PYRO』作品に使われる名称です。

由来は『火花を飛ばす』や『火花を散らす』=火が着く『火種(きっかけ)』というところから来ているので、『小:BABY PYRO(ベビーパイロ)』のさらに下となる、『極小:SPARK』ということになります。

 

 

ボリューム感の違いで名称が変わる『PYRO』シリーズは

『大:PYROMANIAC』は先述の通り、

『中:PYROTEENIAC(パイロティニアック)』は成長過程である

TEENAGER(青年期)から来る中間ボリュームを表したネーミング、

そして『小:BABY PYRO(ベビーパイロ)』は更に小さい

BABY(新生児)を彷彿させるネーミングとなっています。

※G8Tokyoブログ『PYRO』より

 

 

この『SPARK』サイズを用いた作品は他にもひとつだけあり、今となっては入手困難な2015年のNAOSHI来店イベント(6回目)の際の『MASTERPIECE』アイテムでした。

2015 『MASTERPIECE』 ペンダント(左)と『LEFTHAND KNOCKER』ペンダント(右)

マスターピースとは、年に一度のビヨンクール取扱店でのNAOSHI来店イベントの『当日のみ購入可能な特別品』で、オーダー分は全て型を起こさず1点づつ仕上げる、量産不可な仕様となっております。

そのため1点1点全て違う(良くも悪くも、技術が高いので素人目には同じに見えますが)、その時、その瞬間の縁(タイミングや予算)がモノをいう作品です。

 

2014年の、5回目の来店イベントからマスターピースを用意するようになりましたが、この時は2015年の6回目。

『6』→『666=悪魔の数字』にちなんで、新作のメインはパイロの『Ver.DEVIL』。

イベントの回数に応じたビリヤードの玉(18金)モチーフを使用した、『当日限定』リリースのペンダントがこちら。

BABY PYRO Ver.DEVIL w/K18 ⑥BALL

『6』回目のイベント時の作品なので、片目に18金の⑥ボールが使われております。

デビルなのに『縁起物』みたいで今見てもカッコイイですね。現在はこちらも入手困難な作品となっております。

この時の同時リリースの新作は、やはり『6』にちなんだ『悪魔の手=左手(LEFTHAND) KNOCKER』ペンダント。

この『LEFTHAND KNOCKER』ペンダントを素材として使用、その中指に18金の『PYROMANIAC』リングを着けているような仕様が、この時のマスターピースのペンダントでした。

よく見ると、左手外側にブランドを象徴するようなフレイムスが入っていて、こちらもセンス良く仕上げられておりました。

左手自体も非常に精巧に作れており、質感含め表現力に富んだ作品ですが、まさに、左手中指にリングを着けている様に見える、評価の高いペンダントでした。

改めて、遊び心を持ちつつ『REAL&KOOL』を形にし続けたブランドだからこそ、振り返ってみても作品の素晴らしさが実感出来ますよね!

 

ここで、キンドルに話を戻し、フレイムスで立体表現しているところに目を向けてみましょう。

キンドル「右側」

フェイスの手前と奥の高低差で揺らめき具合が伝わると思います。

キンドル「後ろ側」

映っている『影』からもわかるとおり、左右から伸びたフレイムスが手前と奥で揺らめいているのが確認できます。

これは4回目のイベント限定なので後頭部が18金④ボールになってますが、通常モノはパイロの後頭部が表現されています。

4thイベント『当日限定』が『KINDLE PENDANT w/k18 ④ BALL』でしたが、なぜこの画像を使っているか?

それは、キンドル記事を書いてるくせに、現在G8Tokyoに在庫がないからです(笑)

 

G8のネーミングは『Gから始まる8つの単語』が背景だったりしますが、そのうちのひとつ、『“G”allery』の要素も兼ねております。

店頭で過去のイベント限定品を非売品ながら展示しておりますので、見れる場所、聞ける場所として是非ご活用ください。

 

実体のないフレイムスを具現化したキンドルは、一筋の炎がパイロから溶け出したような、マッチの炎のような、また線香花火のような、儚さだとか切なさだとかをそこはかとなく漂わせた、『匂いのする作品』だと思います。

 

燃え盛る『炎』とはまた違う、ひっそりと『火』が着き燃える様子の思い浮かぶ、

表現豊かな作品ということが、実物から感じ取れると思います。

こういった過去の作品における表現の『積み重ね』が、今の作品に活きているのです。

こうやって振り返って見ることで、GUCHO作品の背景や成り立ちが伝わったら幸いです。

 

・KINDLE PENDANT ¥20,000(税別)