2.5D

聞き慣れない言葉『2.5D』。

 

これは、平面(2D)と立体(3D)の中間表現とでもいうべきか、他に類を見ない、

立体に見えるのに平面のような、NAOSHIならではの目の『錯覚』を利用した作品に使用される造語です。

しかし、これが言い得て妙で、正面から見ると奥行きを感じさせつつ、側面から見ると高低差のほとんどない、NAOSHIの突出した空間把握能力と表現力、それを形にする精緻な技術力が揃ってはじめて可能な表現技法で、ネーミングがその特徴を上手く言い表しています。

2.5D DICE KEEPER(正面) ¥63,000(税別)

2.5D DICE KEEPER(裏面) ¥63,000(税別)

実際の立体ダイスを2個並べたペンダントもありますので、追って比較してみましょう。

上写真2つとも『2.5D』ダイスですが、横から見ると何だかわからないですね(笑)

人間の視覚からの判断は、意外と間違えて認識することがあり、『トリックアート』、『騙し絵』といったアート作品同様、目の『錯覚(視)』を利用した作品を『2.5D』と表現しております。

 

『遠近法』や『陰影法』など、いろいろな技法がありますが、全て脳が光をどう拾うかで見え方が変わり、視神経から脳に伝えられた情報をどう認識するかで見え方、理解は変わるそうです。

「錯覚」の画像検索結果

※WEBから拝借『錯覚』より

「錯覚」の画像検索結果

※WEBから拝借『錯覚』より

画像検索のおかげで、錯覚(視)の参考画像を見ることが出来ます。

上の2つが理解しやすいので画像を拝借。

上の画像は、線の長さが各々同じ。しかし上の横線の方が長く見えますね。

下の画像は、縦線・横線の長さが共に同じ。しかし縦線の方が長く見えます。

平面(2D)でもこれだけ事実と違って認識するのであれば立体(3D)も同様、ただし、作る(見せる)側にはより複雑な空間把握能力と表現力、それに加えて技術力を要するのは想像に難しくありません。

 

作品は『理論と感性のバランス』で成り立っていますが、『2.5D』のような技法は、人体、特に『視覚』の特性を理解していないと作品として成立することは難しく、デザイン性などのセンスだけでは具現化出来ない、まさにNAOSHIだからこその、『理論と感性のバランス』が両立した、オリジナリティーに溢れた作品に仕上がっていると言えるでしょう。

身内を褒めているようでちと恥ずかしいですが(笑)、実際に、見て、触れてもらいたいと切に思う機構です。

 

美術的観点があればこその、理論に裏打ちされた表現になりますので、『視覚』における理解がないと作品に仕上げることが不可能なのは間違いありません。

『一般大衆向けなPOPカルチャー(POP ART)は、インテリのための“ART”を一般層でも理解出来るレベルに引き下げた』ということで、学がないと理解出来ない、閉鎖的だった高尚(?)なARTが開かれたモノになってからは、感性に訴えるアートが巷に溢れて…というのが’80sあたりから特に広まって、『STREET』に在るアートがその時代のカルチャーを形成していった様子は、理論を超えた、『感性』のストリート・アートも多々生み出されたことと関連しているように思います。

例えば『LOWBROW ART』のような、低俗なアートと訳されるモノは、路上の落書きもアートに含み、新しさやパワーを持った、感性に響くニュー・スクールなアートと呼んで差し支えはないでしょう。

いつの時代も伝統に中指を立てるような、既成概念をぶち壊すパワーがストリートには溢れているのです。

 

とはいえ、『感性』に訴えかける新しいスタイルに、プラスで『理論』がバック・ボーンにあったとすれば、それは突出したオリジナリティーを表現し得る可能性が非常に高く、作品としての完成度はより高いモノとなることでしょう。

それこそが、『理論と感性のバランス』が高い次元で具現化した、『2.5D』作品に通ずる部分といえるのです。

 

純粋に美観として『カッコいい』作品に、他に類を見ない表現がなされていたら、所有欲とともに優越感を満たしつつ、なおかつより良く自分を魅せるのに一役買ってくれるに違いありません。

結果、自分らしさや理想の自分を雄弁に語ってくれる、そんなアクセサリーが身近にあるのも良縁です。『積み重ね』の出会い、ですね。

 

さて、下写真の立体(3D)ダイス、地味にこの作品も人気があるんですが、

DICE PENDANT ¥23,000(税別)

このペンダントは一見、単なるサイコロ2個くっついたペンダント(失礼)に思えますが、『ルーム・ミラーに吊るされたダイス』イメージの、『オン・ザ・ロード』、路上の出会い&シグナル上等みたいな、また『アメリカン・グラフィティー』みたいな、’50sの雰囲気を背景に持たせたペンダントです。

NAOSHI作品は総じてサイズ感に優れていながら、全体のバランス、身に着けた時の着用感、そして手馴染みの良さにも秀でているため、視覚的だけでなく、つい触れていたくなるような『触覚』的なアプローチも考慮された、徹底したモノ作りの姿勢が垣間見える、『こだわり』の作品群だと言い切れます。

実際、購入者のリピート率の高さが数字に表れていて、実物に触れることで理解が深まるブランドだからこそ、リピート=信用につながるのでしょう。

 

私も身に着けながら、つい『無意識』に触ってしまう時間があるのですが、特筆すべきは曲線で構成された作品。

デザイン上、『対極』でもある直線で構成された、エッジを効かせた作品ですら手馴染みの良さが含まれておりますが、特にスムージングされた曲線美からは、改めて『作品』と呼ぶにふさわしい仕上がりなのがすぐに理解出来ると思います。

画面からは絶対に伝わりきらない『REAL』は、実店舗にまで足を運び、接客を受けた人たちにのみ伝わる特権です。

まさに『百聞は一見に如かず』、是非一度、実物に触れて頂きたいと思います。

 

それこそ、このブランドは販売のセオリーでもある試着が正しい接客方法だと思います。

ただし、試着させる(売る側が『売る』ために)ではなく、試着してもらう(買う側に『理解』してもらうため)であり、画面上の見た目(視覚)だけでなく、実店舗で実物を見て、触れて、説明を受けて(視覚+触覚+聴覚)が、遠回りも無駄な買い物もしないで済む、買い物に於ける最短最速ルートだと思います。

 

第一印象の見た目で好意を持ったものの、付き合ってみると本質が見えてきて、違和感を覚えるような、人、モノ問わず、パートナー選びは重要ですよね。

『いちばんたいせつなことは目に見えない』の言葉通りで、目で見える部分が全てではない、まさに『本質』を捉えた言葉ですよね。

 

視覚だけではない、その先にも意識した、日常使い(デイリー・ユース)も考慮したブランドであるGUCHO。

『ライフ・スタイル』にも重きを置きつつ、身に着けていて邪魔にならない着用感も意識した、一貫した姿勢で作品を生み出し続けております。

この一貫した姿勢が重要で、継続していることがブランドのイメージや信用につながるのは間違いありません。

 

良いモノであればあるほど先行有利なもので、すでに銘品と呼べるモノを所有している場合、はっきりいって買い直す必要がないのです。

消耗品とは一線を画す『一生モノ』を購入する場合、手に入れる苦労が多ければ多いほど、葛藤を乗り越えての所有であろうことは想像に難しくありません。

思い入れも強ければそう簡単には飽きもしないし、他に目移りすることもないでしょう。

しかし、新興ブランドでこれだけ『夢中にしてくれる』モノ作りの姿勢には感心することしきりで、ネーム・バリューの強いブランドのアイテムを持ちながらも、後からGUCHOの作品に興味を持ち、結果、乗り換えすることになってしまった。

そんな方々を実際に見ていると、よりその選択が間違っていなかったことを証明したくなるものです。

とはいえ、上記のような、目の肥えた人たちの選択に後悔の念は無いに等しく、むしろ良い意味でのオタク的上級者から好評なのは、ブランド及び作品自体が信用に値するからなのでしょう。

 

初期衝動を受けた、ルーツのような老舗ブランドが私にもあり、源流=オリジナルという立ち位置ゆえに、それらのブランドには好きなアイテムも多いのですが、『日本人が日本人のために作った』と言っても過言ではない、熟考して形となった作品は『理』に適った仕上がりで、その真摯なモノ作りの姿勢も相まって、完全に量産に向かないブランドです(笑)

先日もNAOSHIが「年々、技術が上がっていくとスピードが上がるかと思っていたけど、全く上がらない」という話を彼の親友(職人)と話していたらしく、説明を求めたところ、

「以前に比べて“目”が良く(利く)なったせいで、自然と手を加えたくなる箇所が増えるから、結果、生産量が上がらない」

ということでした。

 

その瞬間、瞬間で彼らのような職人気質は、常に『手を抜かない』。

『採算度外視』な、『こだわり』を貫き続ける姿勢には、敬意とともに、消費時代に合わせられない社会性の低さ(失礼)が同居していたりして。

しかし、そういう損得ではないところで突き詰めてモノ作りを続けているからこそ、軌跡が残り、このブランドに正解を見出し、『本質』を求める人ほどハマってしまうのではないでしょうか?

事実、自分もそのうちの一人、夢を見続けさせてもらっているのです。

ブレない故にガッカリすることもないのです。

 

KUSTOM  “JEWELRY”を冠するブランドは、名前負けしないだけの熱量や質量が作品に反映されているのです。

『2.5D』動画も貼っておきます。ご参照ください。

 

一部の作品にのみ使用されるこの表現方法は、作品の特性や場面に合わせた使われ方のため、種類自体はさほど多くありません。

勝負所といいますか、作品のアプローチとして最適な場面でのみ魅せる表現技法だからこそ、愛着が沸くのでしょう。

モノへの愛情がありがたみにつながっていき、結果、自分の手元に在ってくれるありがたさから、『一生モノ』に格上げされていくのです。

 

余談ですが、最近の読み物で『2.5次元』という言葉を目にしましたが、『2次元キャラを3次元化(実写化)する』という意味だそうで、雰囲気近い言葉ですが全くの別物です(笑)

ただ、共通するのは理想を『具現化』する点と、表現としての『クオリティーが高い』点。

売れそうなモノだから作るのではなく、良いモノを作ったから売れたの順も、共通しているような気がします。

良い意味で期待を裏切ることを、ジャンルを問わず一流の表現者が繰り返し続けているのも、現状維持を善しとせず、常に上を目指しているからで、どちらもユーザーを納得させる、正しい『作品』を提供している姿勢に好感を抱きました。

 

ちょうど10年前、ブランド設立当初から『2.5D』という表現の作品が存在していたことを考えると、NAOSHIの世界観は作品だけでなく、『言葉』も含め表現者としてすでに確立していたのを再確認した次第です。

 

上記の動画のようなダイスは、リングやペンダントもあり、POPさ加減の良さから男女共に人気が高く、

2.5D LUCKY ’07 PENDANT ¥38,000(税別)

2.5D DICE RING ¥52,000(税別)

『SP on 2.5D PISTON ART』キーパーだと、メインの般若(モデルは女性ではなく男性)的フェイスとピストンの組み合わせが硬派なイメージ。

 

K18  SP on PISTON ART KEEPER Ver.PENDANT カスタム

 

2.5D SP on PISTON ART KEEPER ¥70,000(税別)

『2.5D』の傑作キーパー!

Vツインのピストンから燃え上がったフレイムス(炎)の形状が、『和』な雰囲気を醸し出す、非常に完成度の高いキーパーで、初期GUCHOユーザーの所有率が高かったARTの名にふさわしい作品です。

いわゆるカット・アウトの『2.5D ピストン&フレイムス』の土台に、『SP』が乗っかった、身に着けられるアートのような作品。

『和洋折衷』なコンビネーションは、日本人デザイナー・NAOSHIならではの絶妙なバランスの賜物。ピストン周辺のフープ部分にも細かな『燻り(くすぶり)=テクスチャー』で表現するあたり、ディティールの積み重ねで作品を仕上げているのが見て取れます。

純粋に『作品』として素晴らしいと思います。

 

シルバーアクセが『身に着けられる“装飾品”』として成立する、『置いて善し』『着けて善し』な、あらゆる場面でも一生モノにふさわしい『作品』です。

 

『見て』『触れて』『聞いて』はじめてわかる魅力の奥深さ。

画面上ではなかなか伝わらないので、お近くの取り扱い店舗まで。

人もモノも良縁に恵まれること、願っております。

 

・G8Tokyo 03-6407-9118 13:00~20:00 水曜定休

・ビヨンクール マルイ大宮店 048-658-1661

・ビヨンクール 阪急メンズ東京店 03-6252-5419

・ビヨンクール 浜松店 053-450-2080

・ビヨンクール 大阪本店 06-4708-1205

・ビヨンクール 博多阪急店 092-419-5439